【こびナビ公式】誤った情報の発信者は ”MICE モデル” で攻撃してくる【ミスバスターズ】
【書き起こし】
池田早希:
みなさんこんにちは。
おなじみの、こびナビ副代表の池田早希です。
本日はスペシャルゲスト、同じくこびナビ副代表の峰宗太郎先生に来ていただいております。
よろしくおねがいします。
峰宗太郎:
よろしくおねがいします。
「なぜ誤情報が生まれてしまうのか?」
池田早希:
世の中、たくさんのコロナウイルスだったりコロナワクチンだったりの情報がありふれていて、中には誤った情報もあって、その誤った情報のせいでとても不安に思われたりとかワクチンを打つのが怖くなったりしてしまう方もいらっしゃると思います。
しかもそれって健康にかかわることなので悪影響を起こすことがあるんですよね。
そもそもなんでそういう情報は生まれてしまうんですかね?
峰宗太郎:
これは非常に難しい問題で、私も専門家ではないんですが、いろんな先生とお話をしてウイルスの感染症が広がってから、WHOは非常にいろんな情報が氾濫している状況を「Infodemic」というように言ったりしていますね。
「information」と「epidemic」を合わせた情報の氾濫した状態。
しかも情報の氾濫した状態だけではなくて、その不正確な情報だとか間違った情報、これ「misinformation」といいますけども、意図的に全体をかき乱すような情報、これ「disinformation」と言いますけどもこういったものが氾濫してしまうことで本来最も大事な情報、判断に必要な正確な情報だとか重要な情報、それから参考になるような情報、こういったものを適切に選別することが難しくなってしまった状態、これを「infodemic」と言っているんですよね。
この「infodemic」が起きるということは結局のところは「misinformation」であったり「disinformation」というものが出て来てしまうというところに問題があるんですよね。
で、「misinformation」「disinformation」が出てくる背景にはどういうものがあるか池田先生考えられたことありますか?
池田早希:
どういう背景があるか?
峰宗太郎:
誰かが必ず情報を作るわけですよね?
誰かが生成するんです。
それを発信することで受けた人がいて、さらにその人が発信することで広まっていくわけですけど、考えてみればどんな情報も大元があるわけです。
大元っていうのは誰かが作ったお話だったり、嘘をついていたり、それともその間に不正確な情報で物事をとらえ広めてしまっているわけですけど、その大元はどのような動機、モチベーションをもって発信されていると考えられているかわかりますか?
池田早希:
やっぱり皆さんにワクチンを打って欲しくないんじゃないですか?
そういう人たちもいるだろうし、あとはいろんなことに不安をもってそれで誤解してそういう情報を生んでしまうということがあるかなと思います。
峰宗太郎:
はい、いろんなファクターがありますがそれも大事な動機ですよね。
何かみんなの行動を変えてしまいたいという思いだとか、自分が信じていることをみんなも同じように信じてほしいだとか、それから自分の主義を押し付けたいとかいろいろあると思うんですけど、最近色々な先生とお話しして教えていただいたんですけども、不確実な情報ですとか情報をかき乱すようなものは、よく情報戦争、要は国家間でやってるようなスパイとか、そういうインフォメーション戦争の中でその動機や何で起きているかを解析するモデルがあるということが言われているらしいんです。
で、スノーデンファイルってありましたよね。
スノーデンという人が秘密情報を盗み出して公開して問題になった。
その小説の中にも出てくる「MICEモデル」というものがあるんですよ。
聞いたことありますか?
池田早希:
ん-、ないです。
ネズミですか?
峰宗太郎:
そうです「M」「I」「C」「E」でネズミさんという意味なんですけどもこれ、頭文字になってるんですよ。
実はですね、このMICE何を表しているかというと、「M」は「Money」お金、「I」は「Ideology」イデオロギーですね、自分の信条とか信じ込んでいるもの。
「C」が「Compromise」とか「Coercion」要はすり合わせ、妥協。
「E」が「Ego」自己承認欲求とか。
これを解析していくと結局何らかの利害があったり、自分の商売をしたいというお金の問題。
自分はワクチンが嫌いだよとかワクチン打って欲しくないとか、政府がやることはすべて反対とか、お金を持っている人はきっと人類を不幸にしようとしているんじゃないかとかそういうことを考えて行動してしまう。
政治的な信条も入っているイデオロギーだったりします。
それから自分が今まで信じてきたことと整合性を保つためだとか、あいつがあんなに目立っているのはこういう悪いことをしているからに違いないという「すり合わせ」ですね。
そして最後は、俺の話を聞けとか私の話を聞いてほしい、私を認めてほしい、こんないろんな人から反響がもらえるのだったら賛同者がいるんだということでエゴですよね。
こういったいろいろな背景があって初めに誤った情報を作り出してしまう同期になっていると捉えることができるんです。
なので、この「MICE」モデルというものでようやく最初の質問に答えることになるんですけど、様々な動機があると思うんですけど、結構それは個人の不満だったり広げたいという思いだったり、それから経済的な動機があったり、いろんなことがあって情報の正誤、正しいとか間違っているとか本質的に関係なくてとにかくどんな情報でも広げたいという動機のひとが出てくるんだということを認識していただくのがとても大事ですよね。
ところで、大事なことがあって、デマを流す方々がいるんですよね、あるいは取り込まれてしまう方、それからそれをサポートしてしまう方、どっぷり足を踏み込んでしまう方がいっぱいおられるんですけども、こういう方々もその正当な情報を流す方に対して「MICEのしつけ」ということをするんですね。
例えば、よくあるのは、ワクチン企業からお金をもらっているからワクチン推進してるんだろうという意見をたまに聞きますよね。
それからイデオロギー、あいつらは自分たちが作ったワクチンを打たせたいから宣伝してるんだというイデオロギー。
それから自分たちが有名になりたいからやってるというすり合わせ。
そして、あいつらは自分たちが満足したいからやってるんだというエゴ。
こういう指摘で結局この反論もMICEモデルでなされることが多いんです。
ただ、冷静にこの情報を判断するときは、この「MICEモデル」を明らかに攻撃の材料に使っている側が怪しいことが多いです。
なので、よくワクチン工作員だとか製薬企業のナントカだという方がいらっしゃいますけども、やはりそういう声を荒げるというのがひとつのおかしい態度なんですよね。
やはり冷静に科学的な根拠に元ついて、そしてどういう議論、考える道筋があって自分の主張をしているのか、どういう背景のある情報なのか、それを丁寧にみていくことでこういったミス、ミスっていうのは噂話だとか作り話だとかのアヤシイ話って訳せばいいと思うんですけども、こういったものに対峙していけばいいのかなと思ってるんですよね。
池田早希:
ありがとうございます。
そうですよね、実際こびナビの活動をしているとワクチン会社からお金をもらってるんだろうとか、いっぱい打たせて人類を滅ぼそうとしているのかみたいな感じのコメントをもらうことがありますよね。
ホント困ります。
「どうすれば誤情報から身を守れるか?」
池田早希:
私たち医師はワクチンに関する何の情報が正確かとかどの情報が誤っているのかとかがすぐわかることが多いと思うんですけども、そうではない方がそういう情報を目にして本当かどうかはわからないけれども心がザワザワする、そういう時はどうすればいいんですかね?どうしたら判断できるんでしょうか?
峰宗太郎:
すごくいい考え方、大事なポイントですよね。
私が一番言いたいのは、良い情報源を複数持ってクロスチェックをするという情報の取り方を基本とすることがひとつ、これが大きな柱です。
それからもうひとつの大きな柱は情報を適度に遮断するということですね。
三つ目、これは情報の内容や知識というものと、感情を切り離して判断することが大事なんじゃないかと最近は考えています。
特に、一個目から行きますと、まず公的情報。
これとっても大事にしていただきたいんですね。
日本でいえば厚生労働省だとか内閣官房だとかが情報を発信していますし、多くの学会なんかも情報を出していますよね。
ただ、日本でいうと公的セクターの情報発信が弱いのは事実ですので外国にも目を向けていただきたいですね。
WHOだったりアメリカのCDCだったり、FDAそれから感染症学会であるIDSA。
そういったところが丁寧に情報発信をしていますよね。
なので、まずは公の情報、というのは多くの専門家が関わっていますし、さっきのMICEモデルで行ったようにお金を目当てにしているということが公的情報はほとんどないわけですよ。
で、イデオロギーに染まっているということも大きい国家においてはあまりないんですね。
なので、そういう安全性もありますので、公的情報を複数もつ。
公的情報も間違えることはあるんです。
見解が変わるっていうこともあります。
なので、複数持っていただいて、クロスチェックですね。
こっちでこう言ってる、こっちでこう言ってる、これは両方言ってるし、三つとも言ってるしというような感じで決めていくと。
妥当なラインをまずは知ってもらうということがすごく大事だと思うんですよね。
池田早希:
そうですね。
こびナビでもそういった公的機関の情報を複数確認したうえで情報発信していますもんね。
峰宗太郎:
そうですね。
なので、あとはさっき言った準公的団体としてはボランティアの団体とかもあります。
こういったところにはこびナビも含まれていますし、今回のワクチンでいえばコロワクんサポーターズも頑張っておられますし、コロナワクチンの公共情報タスクフォースという団体もあったりいろんなところが情報発信していますので、複数まず見ていただくということはすごく重要だなと思います。
その際にですね、参加メンバーをよく見ていただきたいんですね。
多種多様な方が参加しているかがすごく大事なことになってきます。
というのは、「反ワクチン」と言われるような団体ですとかワクチンに本当に反対している人たちや不安を覚えている人たちの団体もいろんな団体を立ち上げて情報発信をしているので一見公的団体のような名前がついていたり、政党っぽい名前がついていたりすることもあるんですけども、まぁ、同じようなメンバーが同じようなことをいろんな場所で言ってるっていうこともあるわけです。
なので、特にいろんな専門家が複数以上の専門家がしっかり異口同音に言ってるようなこと、こういったことを確認することが重要ですね。
それから、三つ柱があるといったんですけども、先に言っておきたいのは、感情と情報を切り分けるということもすごく重要です。
特に感情というものは不安だとか恐れ、こういったものだとか、何かもっと悪いことがあるんじゃないか、悪い情報があるんじゃないか探しておきたくなる感情は人間の自然の心理なんだそうです。
私も心理学の専門家ではないですけどもこういうものは「doom seeking」っていうんですよね。
「doom」というのは悪い運命という意味で昔ゲームがあったんですけども、Doom Seekerというのはより悪い情報を探したくなる、自分が傷つくのはわかっているけどもっと探したくなる心理がヒトにはあるらしくてですね、そういうことをしてしまうと、永遠と情報を探してしまうことになるんですね。
そしてより悪いとか警告している情報とかを見ると、こっちが正しいんじゃないかというその不安のカタルシスを得つつ不安を増幅するということがあるようです。
なので、とにかく不安な感情だとか不安定な感情だとかそういった煽られた感情と情報の内容をきれいに切り分けるということはしっかりしていただきたいですね。
やっぱり怖いんだとか、ナントカはいけない、特に「!」がたくさんついている場合、「判明」とか「Breaking News」とかそういうことが書いているものは基本無視して煽るようなものはすべて却下です。
こういうことをしていくことが重要だと思います。
そうすると二つ目の柱に結び付いてくるんですけども、情報遮断、これがすごく重要ですよね。
SNS、特にインスタもそうですしTwitterだとかLINEのグループとかでも回ってくる情報があると思うんですけども、こういった情報は公的情報を全然背景にしていないことが多いですよね。
なのでこういったものは入ってきてしまうと不安とかに訴えてくることが多いのでそもそも遮断してしまうというのも手だと思うんですよね。
特に、ソースが付いていない情報は遮断しましょう。
ソースが付いていないというのはLINKで公的情報源や論文、それから複数大きなメディアが流しているニュース、こういったところにLINKが付いていない情報ははっきり言ってアヤシイです。
誰が作ったかわからない情報は基本的にどんな内容であっても無視。
これが一番大事かなと思っています。
池田早希:
なるほど。
そしたらそういう意味ではこびナビのインスタでは引用論文も付けたりだとか、あとは誰が発信しているのかというのがわかるので、そういった意味ではプラスになるのかなと思いますね。
峰宗太郎:
そうですね。
発信者の顔が見えているというのもすごく大事で、ただし何度も言いますけども、発信している人もいろんな人がいます。
こびナビを信じろという言い方を私はするつもりは全くないです。
特に、今回説明はしなかったですけども、俗人性主義や権威主義の排除もしたほうがいいんですね。
どういったことかというと、あの人が言ってるから正しいとかあの人が言ってるから間違いというのはあまりよくなくて、権威主義、大学の教授が言っているだとか、ナントカの教授が言っている、ナントカ賞受賞者が言っている、ナントカ学を30年やっている人が言っている、こういったものは本当に参考になりません。
なので、ひとつ、これ逆転するんですけど、参考になることがあるんです。
常にデマを言ってる人はもう信じない方がいいです。
明らかにおかしくなっちゃっている人がいうことは信じない、そこが入ってきたら情報を遮断する。
情報源というのはいまいくらでもあるんですよ世の中。
思うよりいっぱいあります。
なので、本当のデマの人は切り捨ててしまっても、大事な情報が来なくなるという心配はありません。
なので、情報遮断と合わせてですね、いい意味での俗人主義というのも排除する。
いい意味でというのは「この人が言っているから信用する」とかですね、「こういう肩書だから信用する」ということを徹底的に排除していくというのがすごく重要ですね。
池田早希:
なるほど。
とても勉強になりました、ありがとうございます。
とはいえ、さっきの3つのポイントをしっかり押さえたうえで、よくこの情報わからないなーとかこの情報ホントかなーという場合は私たちのインスタグラムにも聞いてくださいね。